大人になってからの「人前で弾くのが怖い」をほどいていく3つの視点

こんにちは、ピアニスト/ストライプミュージックスクール代表の石川武蔵です。

「発表会はちょっと…」

「人前であがって失敗するくらいなら、家でひっそり弾いている方が気楽です。」

大人になってからピアノを始めた方、あるいは久しぶりに再開された方から、よくこうした声を聞きます。子どもの頃は平気だったのに、社会人になってからの方が、人前で弾くのがむしろ怖く感じられる、という方も少なくありません。

今日は、そんな「人前で弾くのが怖い」という感覚を、少しずつほどいていくための視点を、3つに分けて書いてみます。

1. 「間違えない」から「音楽を伝える」へ

本番が近づくと、多くの方が「間違えずに弾かなきゃ」と考えます。

もちろん、準備は大切ですし、できるだけ仕上がっているに越したことはありません。

ただ、「音を外してはいけない」「止まったら終わりだ」と考えすぎると、意識のすべてが「ミスしないかどうか」に向いてしまいます。そうなると、せっかくご自分が持っている曲への愛情や音楽の流れから、自分を切り離してしまうことになりかねません。本来楽しむためにやっていることのはずなのに、いつの間にか苦しみの方にフォーカスしてしまっています。

本番前にはぜひ、目の前にいる人たちに、その曲の魅力を「伝える」ことに意識を向けてみてください。

「今日は、この曲のどんなところをいちばん表現したいのだろう」

フレーズの息づかいかもしれません。

和音の響きかもしれません。

作曲家の背景にまつわる、ある感情かもしれません。

そこにフォーカスして本番に向かうと、「全部を完璧に」から、「ここだけはどうしても届けたい」へと、目的が少し変わってきます。

2. 聴き手は「失敗」ではなく、あなたの「向き合い方」を見ている

人前で弾くのが怖い理由のひとつに、

「もし失敗したら、どう思われるだろう」

という不安があります。

ここで、逆の立場を想像してみてください。

あなたが客席で、誰かの演奏を聴いているとき、頭の中で「何回ミスするかな」と数えているでしょうか。

多くの場合、そんなことはしていないはずです。

むしろ、その人がどんな音を出すのか、どんな表情で弾いているのか、音楽にどう向き合っているのか、といったことの方を受け取っているはずです。

多少のミスがあっても、音楽に誠実に向き合っている演奏からは、やはり何かが伝わります。

逆に、音を外さないことだけに一生懸命になりすぎると、その緊張感だけを共有することになってしまいます。

聴衆が聴きながらいちばん感じているのは、

「この人は、今ここで、音楽とどう向き合おうとしているのか」

という部分です。

もちろん、本番での失敗が全く気にならなくなるということはありません。

それでも、「失敗そのもの」から、「向き合い方」へと意識を移していくことはできます。

3. 本番を「練習の延長」にしていく

とはいえ、頭でわかっていても、いきなりホールでたくさんの人の前に立てば、緊張するのは自然なことです。

そのギャップを埋めるために大切なのが、

本番を「特別な一回きりのイベント」にしすぎないこと

です。

いきなり大きなステージに立つのではなく、本番までに次のような「小さな本番」を積み重ねていくことで、少しずつ体が慣れていきます。

  • レッスン室で、講師の前だけで一度「通して弾く」(普段のレッスンですね)
  • 家族や友人の前で、通して弾いてみる
  • 発表会では、完璧を目指すより「ありのままの今の自分」を表現するつもりでステージに立つ

こうしたステップを意図的に設計することで、本番は次第に、

「怖い場所」から「今の自分を試してみる場所」

へと変わっていきます。

ストライプミュージックスクールで大切にしていること

ストライプミュージックスクールでは、発表会や人前での演奏を、強制参加の「試験」のようなものではなく、希望される方が自分のペースで挑戦していける機会として考えています。

「人前で弾くのが怖い」というお気持ちも、そのままレッスンの中で言葉にしていただいて大丈夫です。不安なポイントを一緒に整理しながら、

  • 選曲
  • 練習の進め方
  • 本番に向けての準備

を、一人一人に合ったペースで組み立てていきます。

おわりに:ステージで演奏するのはやっぱり楽しい

人前で弾くことへの怖さは、気合いで消せるものではないと思います。

むしろ、その怖さごと連れて本番をこなすうちに、だんだんとステージで演奏するのが楽しめるようになってくるはずです。私がピアニストを続けている1番の理由もやはり「本番が楽しいから」です。

もし今、

「本当はいつか、人前で一曲だけでも弾いてみたい。」

とどこかで思っていらっしゃるなら、その気持ちをぜひレッスンで教えてください。

その一歩を、一緒に設計していければうれしいです。

次回発表会について(2026年8月予定)

ストライプミュージックスクールでは、年に一度、大人の方にもご参加いただける発表会を開催しています。

次回の発表会は、2026年8月に開催を予定しています。(会場:市川市文化会館小ホール)

「いつか人前で弾いてみたい」というお気持ちが少しでもある方は、

この発表会をひとつの目標に据えながら、ゆっくりと準備を進めていくこともできます。

  • 無理のない練習ペースのご相談
  • 選曲やアレンジのご提案
  • 本番までのステップづくり

なども、レッスンの中で一緒に考えていきます。

ストライプミュージックレッスン室
ストライプミュージックスクールレッスン室

体験レッスンのご案内

ストライプミュージックスクールの体験レッスンでは、

  • これまでのピアノ経験の有無
  • 人前で弾くことへの不安やご希望
  • 練習に使える時間や、ご自宅の環境

などをお伺いしながら、その方に合ったレッスンの進め方をご提案しています。

「人前で弾くのが怖い」「発表会は気になるけれど不安」という方も、どうぞそのままの気持ちでいらしてください。

発表会に出るかどうかも含めて、一緒に相談しながら決めていければと思います。

体験レッスンのお申し込み・大人向けレッスンの詳細は、こちらのページからご覧いただけます。

→ストライプミュージックスクール 大人コース詳細

石川武蔵
石川 武蔵

ピアニスト。パリ国立高等音楽院ピアノ科修士課程を首席で修了。ストライプミュージックスクール代表として、大人レッスンと音高・音大受験を担当。